Recra X note

LEADERS BLOG

2023.7.18 / 浜永 良成

ある高校のカヌー選手の話です。

濁流に流された被災経験があり、今でも川がこわい、大雨がこわい。
でも自衛隊に助けてもらったことで、人のためになりたい、そのために強くなりたいと思うようになった。
そしてカヌーをやるようになった。
(見逃したが、水の恐怖を克服するためだと思う)

シングルではなくフォア種目を選んだ、仲間がいれば水が怖くない、がんばれると。

災害から救ってくれた人への感謝、自分もあんな人になり、誰かを助けられるようになりたいという湧き上がる純粋な気持ち。

しかし被災の恐怖は拭えない。
でも自分には同じ経験をした、同じ目的を持つ仲間がいる。
だからがんばれる。

何かをしたいと気持ちはあるが一人では動く自信がない人の背中をそっと押してくれるような、励ましと救いのような話でした。

2023.6.16 / 浜永 良成

先日、自閉スペクトラム症のピアノ講師さんのNHK番組を観ました。

人前ではなかなか話せない女性が幼い頃から好きだったピアノの講師として障害を持つ方にピアノを教えている話でした。
録画時も緊張で上手く話せないと自分が書き留めた文面を読み上げていました。
生徒さんに教える姿は辿々しさはあるものの、とても暖かく誠実に接している様が伝わってきました。

苦手なことやできないことが多く、社会で生きていくのが大変、そんな人にも好きなことや少し得意なことがある。それを活かすことで苦手なことも補い、生きていく喜びを見出すことができる。

同じ辛さを持った人に手を差し伸べて、生きていく力を分かち合い、自分の生きがいもそこに見いだす。

素晴らしいなと感じると同時に、多くの人に勇気を与えてくれる生き方を見せてもらいました。

2023.5.12 / 浜永 良成

テレビで観られた方もいるかと思いますが、那覇から20キロ離れた前島という離島で一年の半分は家族と離れて一人で暮らしている85歳の男性の話です。

その島には元は島民が居たようですが、台風の大きな被害で住めなくなり皆が移住し、その男性も那覇で生活していました。

高校生のころから前島に戻りたいと思うようになり、65歳でその島を復興しようと様々な野菜などの栽培に挑戦しましたがうまくいかなかったとのこと。

飲料水や主要な食べ物は那覇から買出しているが、飲水以外は雨水、湧水を使い、電気はソーラーパネルを使って、彼なりに問題無く生活しています。

昼は海を見ながらカップ麺を食べたり、午後は毎日ジャングルような森を散歩(探検!?)、夜は晩飯の食材をのんびり釣る。

健康に長生きすることが彼の大事な価値観だと語る。
それには空気がきれいで心が洗われて、自然を感じながら生きていける前島での生活が一番だと。

老人のはつらつとした表情を見ていると、人にはいろいろな考え方があり、大切なことはそれぞれですが、自分が心から大切だと信じる生活を日々実行できることほど幸福なことはないのだと感じてしまいました。

2023.3.31 / 浜永 良成

先日児童文学家の松居直さんのテレビ番組を偶然見ました。
松居直さんは創作絵本の出版に力を注ぎ、多くの作家を育て、児童文学界に大きな影響を与えた方です。

松居直さんは幼少期にお母さんから絵本の読みきかせを体験しました。
好きなところを何度も読んでもらったそうです。

読みきかせの大切さをこのように語っています。
「文章を読んでもらい、耳から聴き、同時に絵を見ますね、絵を読みます。絵本は読んでもらうと同時にこの二つの言葉の世界を読み取れるんです。そうして子供が自分の中に物語の世界をつくるんです。ですから絵本そのものは手がかりであって、子供が自分でつくる世界が本当の絵本、それこそが絵本体験だと考えています」

「絵本は自分で読んでいますと、言葉と挿絵の間にどうしても溝ができる。時間の差ができますから、それを一つにするのはなかなか難しい、、、絵本に印刷された挿絵は静止画ですが、子供の中に見えている絵本の世界は生き生きと動いている」

このように父母や周りの人からの読みきかせを体験することで唯一無二の自分だけの物語として記憶に刻まれていく。この体験があればきっと創造力にすぐれた、あたたかい人に育っていくことができるはずだと感じました。

これからの社会からもしかすると忘れられてしまいがちな人と人の密なつながりと二つの言葉からつくられる想像世界、とても大切なことが絵本体験にはあるんだと知りました。

2023.2.24 / 浜永 良成

家内が10年ほど前に、1年半近く飼い主のいない生活を送っていた猫をもらってきました。
オレンジっぽい茶猫なのでオーレンといいます、名付け親は不明です。
あまり愛想のないマッチョな雄猫で、私の近くに来ることもなく、またペットということでもなくただ同居しているという感じでした。

その関係は時が経っても変わらなかったのですが、2ヶ月ほど前より鼻がグズグズでよくくしゃみをするようになり、家内が動物病院で診てもらったところ、鼻の上の方に癌があるが高齢なので手術もできないという。
食も細くなりマッチョだった身体は痩せてしまい、毛も艶がなくバサバサになってしまいました。
ここ1ヶ月は鼻血を垂らすようになり、よく見ると目からもうっすら血を流すようになりました。
ただよろよろとしながらもちゃんとトイレには行って排泄はします。

止血剤や抗生剤で治療しており、家内が家でも栄養剤を点滴し、針を刺されても意外と大人しくしています。

私も家にいる時は鼻血を拭いてやったり、時おり撫でたりしてしていたら、最近は私の近くに擦り寄ってくるようになりました。

そうなると可愛いもので膝の上にのせてやったりしているうちに友人のように感じるようになりました。

誰にも不満も不安も言わずに静かに過ごしています。
もうしばらくすると亡くなるという医者の見立てです。
命あるものが最期まで懸命にけなげに生きようとする姿は凄いなと思ってしまいます。

もっと早く友人になれれば良かった、、、
あの鼻血が詰まった顔をもう少し見ていたいなと思います。