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LEADERS BLOG

2024.11.15 / 沖谷卓弥

「競歩」という陸上競技をご存じでしょうか?
競歩は、足の接地や膝の伸びに関する厳しいルールがあり、長時間同じ姿勢を守りながら歩行することが求められ「最も過酷な陸上競技」とも呼ばれています。今年、男子20キロ競歩の世界記録保持者・鈴木選手(石川県出身)が引退を発表しましたが、日本の競歩は実は世界のトップレベルで戦う強豪国のひとつです。

そんな私も、かつては高校時代に5,000m競歩でインターハイ優勝を果たし、一時は「日本一」の称号を手にしたことがあります。30年も前の話で、競技人口が少なかった時代ですが、それでも当時は必死にトレーニングに励んでいました。

先日、その頃の恩師と再会した際、競技レベルの進化について話が弾みました。指導方法に関しても、「当時は根性論でピッチとストライドを速く、大きくすることに注力していたが、今はスムーズな重心移動が重要視される」と恩師は語っていました。

歩く・走るというシンプルな動作でさえ、技術や考え方は日々進化しています。わずか0.1秒を削るために積み重ねられた知識と経験が、過去の常識を覆し、新たな常識を生み出している。競技の奥深さ、そして過去の成功体験に安住せず進化し続けることの大切さを、改めて感じさせられました。