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LEADERS BLOG

2024.7.12 / 久保繁

先日、渋滞学・無駄学の講演を聞く機会がありました。
その名のとおり、車とか群衆の渋滞を緩和するにはどうしたらいいのかの学問。
渋滞学とは例えばアリはなぜ渋滞しないのかとか、建物の出口に障害物を置く方が何もないより早く出られる等々科学的実験と検証に基づいた学問だそうです。
講演後、さっそく書籍を読んでみました。
その渋滞学から人の渋滞→仕事の渋滞→無駄(無駄学)まで派生して、その科学的なアプローチは企業や組織の生産性向上や働き方改革を考えるうえでも非常に有効なものとなっているとのこと。
講義でも話をしていましたが、本を読んで印象的なのは(抜粋)
「例えば、ある企業は常に100%で工場を稼働していましたが、稼働率100%ですからメンテナンスをする時間がありません。少し稼働率を下げてでもメンテナンスをした方が機械も人も長持ちするはずですが、その時間も無駄だと考えて生産に当てていました。その結果、会社はダメになってしまいました。このように、プラスを狙いすぎて無理がたたり、結果的にマイナスになってしまったという例はたくさんあります」さらに、
「リサーチした企業でも200年以上続いているような老舗企業では、みなこの”ゆとり”を取っています。短期で効率化をめざすのではなく、”ゆとり”によって長期存続できている」
とありました。
会社(人材)においても、普段のルーティンの仕事だけでなく必ずイレギュラーなことが起こる。
いくらスキルや能力があっても”ゆとり”がないとその対応も厳しくなり、生産性が落ちますね。
目先の損得(効率)に振り回されず、長いスパンで考えて戦略的に”科学的ゆとり”をもつことも必要なのだなと勉強になりました。